通称「ウィング・ガード」とも呼ばれる、大きめのピックガードを搭載。

ヘッド裏にはシリアル・ナンバーが刻印。

エスカッションを使わず、ピックガードから吊り下げられたPU。

プラスティック製のサドルも、この時期特有の仕様。

マエストロ・ビブラート・ユニットを搭載。

この個体にはタグなどが揃っていた。

1968 Gibson SG Standard Cherry Red

  • Brand: Gibson
  • Model: SG Standard
  • Color: Cherry Red
  • Year: 1968
  • Serial Number : 511xxx
  • Search For: "Gibson SG"

Detail of 1968 Gibson SG Standard Cherry Red

ギブソン1968年製SGスタンダード! 1961年、レス・ポールに変わって登場したSG。発売当初は「Les Paul Standard」の名が付いていましたが、1963年後期に「SG Standard」と名前を変更されます。そして現在では、この「Les Paul Standard」の名前の付いた1963年までのSGはなんと$30,000近くなっているものもあります(アメリカのビンテージ市場にて)!!

その後、ピート・タウンシェンドやアンガス・ヤングなどの使用で知られている、ラージ・ピックガード仕様のものは1966年から発売となります。ネックの形状も細めのナロー・シェイプで、ギブソンの60年代中後期を代表するシェイプへと変化していきます。

 この頃同時にハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)指板からインディアン・ローズウッド指板へと部材の変更も行なわれています。SGはネック・ジョイントの仕様変更が多く、こちらは1967-71年頃に採用された19フレット・ジョイント仕様となっております。ペグには2列で「KLUSON DELUXE」の刻印が入ったダブル・リング仕様。シリアル・ナンバーは1965年と68年に使用されていた並びですが、ピックガードやネック・ジョイントから1968年製であることが分かります。

 元祖レス・ポール・シェイプ(シングル・カッタウェイ)は、1968年にゴールド・トップ、カスタム、デラックスと再発されますが、微妙に形状が変更されています。68年製は1ピースのボディが使用され、50年代の製作方法が保たれ、一説には50年代の余っていた木材が使用された!?……。また、69年からのパン・ケーキ・ボディは、60年代のSGに使用された薄目のボディ材を用いてサンドイッチ工法によって製作された!?……との噂話もあり、現在でもマニア心をくすぐる「ロマン」として語り継がれております。

 マエストロ・ビブラートを搭載したSGの使用アーティストとしてフランク・マリノ、日本ではノヴェラの平山照継氏を忘れてはならない。そんな、いつの時代でも色褪せない、スタイル抜群のギター、それがSGではないでしょうか。

Written by プロフェッサーKenny 岸本

平成8年入社。ヴィンテージ・ギターに関しての知識はイシバシでNo.1! プロ・ミュージシャンのお得意様も多く、彼のマインドに惚れ込み、多数お店に通っていただいている。また、英語力もまずまずのため、直接ギター工場のマスター・ビルダーたちと話し合いすることも。彼自身のフェイバリット・ミュージックはカントリー・ロック、ブルーグラスなど。