1968 Gibson J-45 Red

1968 Gibson J-45 Red

J-45と言えば“フラット・トップ・ラウンドショルダー”の代表モデルで、色はサンバーストと渋く、現在でもアコースティック・ギターの世界でダントツの人気を誇っています。この人気機種ですが、60年代後半にレア・カラーものが実はオリジナルで存在しました。

今回紹介する個体は1967~69年初頭のみに限定生産されたレア・カラー仕様の、レッド・フィニッシュで、現在ではその稀少性からコレクターズ・アイテムとなっています。  ちょうど同時期のラインナップには、エボニー・ブラック・カラーも存在しました。エレキ・ギターの世界ではレア・カラーものはよく見られますが、アコースティックの世界ではピックガードや装飾系を派手にしたものこそあるものの、レア・カラーものは少ないので、探している方は非常に多いことでしょう。

レッド、エボニー・ブラックともにピックガードはホワイト仕様で、ネジで固定されています。この白いピックガードは淡色で彩られたボディ・カラーに浮き立ち、デザイン的にも印象的な仕上がりを見せています。  今回紹介する個体は1968年製で、本来はアジャスタブル・サドル・ブリッジが搭載されているところを、固定式のロング・サドルにリプレイスされています。そのためボディ自体の箱なり感がしっかりと出力してくれ、鳴りも非常に良いです。

またネックは60年代後半ならではのスリム・ネックのため、ナット幅は40mmとエレキ並みに細いです。これなら親指で6弦を押さえることも可能で、親指で押えることにより、とても太い低音を出すことができます。

ペグはプラスティック・ツマミの2列クルーソン・ペグを搭載。ペグ・ブッシュにはクローム・メッキが施され、薄いハトメ型のものが使用されています。これは1966?69年頃に見られる仕様です。

フィニッシュはやや透けたシースルーの濃いレッドで、サイド&バックやネック裏も同色で仕上げられています。マホガニー材本来の色と透けたレッドがなんともいえない渋みを醸し出しております。復刻モデルも限定で生産されることがありますが、この雰囲気はさすがに再現することは難しかったようで、やはりオリジナルのものには渋さでは敵いません。音も良し、ルックスも良しで、人気がある理由もわかります。お見事!! まずは池袋店にて、その素晴らしさを実感してください!

Written by デューク工藤

本連載を執筆していた当時は渋谷店に勤務し(現在は御茶ノ水本店FINEST GUITARS在籍)、プロフェッサー岸本が一番弟子と認めた存在。数々のレジェンダリーなヴィンテージ・ギターを師匠と共に見て触わり、オールド・ギターに関する知識を蓄積。自身のフェイバリット・ミュージックは60~70年代のロックとブルースで、音楽趣向においてもヴィンテージ路線は貫かれている。

御茶ノ水本店FINEST GUITARS

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