1963 Gibson J-45 Sunburst

  • Brand: Gibson
  • Model: J-45
  • Color: Sunburst
  • Year: 1963
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1963 Gibson J-45 Sunburst

前回に引き続きラウンド・ショルダー・シリーズ、今回はJ-45を紹介します。J-45が発売されたのが1942年。J-50がナチュラル・カラーだったのに対し、J-45はギブソン伝統のサンバースト・カラーを身に纏って生産された。J-50の方が先に出荷されたと言わているが本格的に出荷されたのは1945年になってからで、40年代前半のものはサンバーストのJ-45の方が多く見られる。

今回の1963年製は前回の1960年製に比べ、細かい変更箇所がある。まずはヘッドストックにシリアル番号が打刻されるようになり、1960年までのスタンプ式よりシリアルの数字がよりはっきりと見やすくなった。このスタイルは現在も引き継がれているが、桁数は時代により異なっている。

1963年前後にはブリッジが木ではなくプラスティックのものが存在し、今回のモデルもそれに該当している。プラスティック・ブリッジは小型モデルなどにもよく使用されており、木材と違い接着はされず、ネジとナットで固定されている。

60年代のボディ内の構造を見ると、トップ材を補強するブレイシングは50年代のものに比べて背が高く、やや太めという傾向。またブリッジ・プレートも大きめで、この部分にナットが締め付けてある。サウンド面でも大きな影響があり、木のブリッジでは出せないような不思議な音色の個体が存在する。

チェリー・サンバーストは1962年より本格的に導入され、このカラー変更に伴い、ボディ・サイド&バックの着色塗料はダーク・ブラウンからチェリー・カラーへ変更となった。60年代前半のものはトップのチェリーが褪色しやすく、淡い感じの今で言うフェイデッド・チェリー風の色合いになり、さらに40年以上の経年変化により、貫禄がつき、復刻モデルでは出せない魅力がある。

ネックの形状は年代によりかなり異なる。ネック・グリップの形状で見ると、1960年製はやや肉厚が薄いのに対して、1963年になると肉付きが良くなり、少し丸い傾向にある。ネック自体、トーンの形成する上で重要なパーツゆえに、このグリップ感が変わることにより、ボディからネックへと伝わってくる振動も当然変わってくる。

1963年にロゼッタは、1リングから2リングに変更。ぱっと見ると、サウンド・ホールの外周に丸い装飾が2本あるように見えることから、通称“2リング”と呼ばれるようになった。

Written by デューク工藤

本連載を執筆していた当時は渋谷店に勤務し(現在は御茶ノ水本店FINEST GUITARS在籍)、プロフェッサー岸本が一番弟子と認めた存在。数々のレジェンダリーなヴィンテージ・ギターを師匠と共に見て触わり、オールド・ギターに関する知識を蓄積。自身のフェイバリット・ミュージックは60~70年代のロックとブルースで、音楽趣向においてもヴィンテージ路線は貫かれている。

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