1971 Fender Telecaster Natural

1971 Fender Telecaster Natural

1950年代初期に誕生し、今なおエレキ・ギターの代表機として人気を博しているスタンダード・モデルのテレキャスター。本器は、ホワイト3プライ・ピックガード仕様の1971年製。オプションとしてビグスビーが搭載されたのは1967年から1974年頃まで。また、1972年にはヘッドのストリング・ガイドがふたつとなるため、こちらはそれ以前のモデルということが分かる。

ビグスビー搭載器の場合、通常のテレキャスターと違いブリッジに特徴がある。一般的なテレキャスター用ブリッジの場合、ブリッジ・プレートのエンドから弦を引っかけるか、ボディ裏から通す方法で、弦とブリッジ・サドルが固定されている。このブリッジ構造ゆえにテレキャスター特有の歯切れのよい音が生まれるのだが、ビグスビー・ビブラート・ユニットを搭載したモデルの場合、ブリッジ及びサドルに工夫が施されている。

アームを使用した場合、アーム・アップ/ダウン時にサドルが固定されていると、サドルと弦に摩擦が生じて、それが原因でチューニングが狂う可能性がある。それに対処すべくビグスビー搭載器ではジャガーやジャズマスターと同タイプのブリッジを搭載。

その構造だが、ブリッジ・プレートはボディには完全固定されておらず、スタッド内に仕込まれた2本のイモネジを支点に前後動くような仕組みになっている。よって、アームをアップ/ダウンした際、ブリッジ・プレート(サドル)も連動するので、摩擦が起きず、チューニングが狂いにくくなっているのである。

ビグスビーを搭載したテレキャスターのサウンドだが、もともとの芯のある歯切れのよい音に、ビブラート・ユニットから生じた倍音が加わることで、豊かな甘いサウンドも出るようになっている。特にアンプを歪ませた時、この倍音効果が威力を発揮し、ラウドなサウンドで弾いた時の魅力はたまらない。

ビグスビーを搭載したテレキャスターのサウンドだが、もともとの芯のある歯切れのよい音に、ビブラート・ユニットから生じた倍音が加わることで、豊かな甘いサウンドも出るようになっている。特にアンプを歪ませた時、この倍音効果が威力を発揮し、ラウドなサウンドで弾いた時の魅力はたまらない。

Written by デューク工藤

本連載を執筆していた当時は渋谷店に勤務し(現在は御茶ノ水本店FINEST GUITARS在籍)、プロフェッサー岸本が一番弟子と認めた存在。数々のレジェンダリーなヴィンテージ・ギターを師匠と共に見て触わり、オールド・ギターに関する知識を蓄積。自身のフェイバリット・ミュージックは60~70年代のロックとブルースで、音楽趣向においてもヴィンテージ路線は貫かれている。

御茶ノ水本店FINEST GUITARS

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