他のカスタム・カラーがデュポン社の塗料を使ったのに対し、キャンディ・アップル・レッドはフェンダー社が独自で調合したカラーであった。

ヘッド・デカールは、スパゲッティ・ロゴ。

ネック・デイトは64年と印字。指板はラウンド貼り。

「MAR 20 64」と印字されたフロントPU。

トーン用のキャパシターは50V耐圧の0.1mF。

1964 Fender Stratocaster Candy Apple Red

  • Brand: Fender
  • Model: Stratocaster
  • Color: Candy Apple Red
  • Year: 1964
  • Serial Number: #L27xxx
  • Neck Date: 2 JAN 64 B
  • Pickup Date: MAR 20 64(Neck), MAR 18 64(Middle, Bridge)
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Detail of 1964 Fender Stratocaster Candy Apple Red

ネック・デイトは「2 JAN 64 B」で、Bネックを搭載。ネック・デイトの年号末尾に付くアルファベットは「A」が細く、「B」がレギュラー、Cが薄めのネックということを表わしている。

1964年からヘッド・デカールがトランジション・ロゴに変わるのだが、このストラトはスパゲッティ・ロゴなのである。さらに詳しく「POT CODE」を調べてみると「304-6344」と印字されている。これはスタック・ポール社製のポットで1963年の44週目製造ということがわかる。 このことからこのギターは1963年末に製作を開始し、1964年の1月に出荷された「スパゲッティ・ロゴ」の最終出荷物と判別でき、非常にレアな個体ということになる。

カラーはキャンディ・アップル・レッドだが、下地にシルバーを塗装しているタイプのため、ゴールドの下地より見た目がシャープな印象となっている。

フェンダー社は、1965年1月にコロンビア・レコードにより正式に買収されてしまうが、スパゲッティ・ロゴの最終モデルであるこのギターは、レオ・フェンダーの目指したストラトの完成形と言っても過言ではない。スティーヴィー・レイ・ヴォーンも、この時期のラウンド・ボード・タイプのネックを好んで愛用し、歴史的な録音を数多く残している。

Written by プロフェッサーKenny 岸本

平成8年入社。ヴィンテージ・ギターに関しての知識はイシバシでNo.1! プロ・ミュージシャンのお得意様も多く、彼のマインドに惚れ込み、多数お店に通っていただいている。また、英語力もまずまずのため、直接ギター工場のマスター・ビルダーたちと話し合いすることも。彼自身のフェイバリット・ミュージックはカントリー・ロック、ブルーグラスなど。